She-cession(シーセッション)って何?-コロナと女性不況について考える-
- 2020.11.15
- ジェンダー/ Gender
- 社会構造
2020年、女性の自殺者数増加
警察庁によると、10月時点で日本国内で自殺した人は全国で2153人となっています。これは、去年の同じ時期に比べて39.9%の増加とのこと。
男女別では、男性が去年よりも21.3%増えて1302人、女性が82.6%増えて851人。特に女性の自殺者が大幅に増えていることがわかっています。
なぜ今年はこんなにも女性の自殺者が増えてしまっているのか、今日は考えたいと思います。
She-cession (She+Recession =女性+不況)
歴史的には不況の際、雇用の減少は統計的に男性に現れやすかったと言われています。だけど今回は、新型コロナの影響は顕著に女性の雇用へ表れている。
理由の一つとして考えられるのは、女性の雇用が多いとされる「宿泊」「飲食」「小売」が新型コロナの影響を大きく受けているためです。日本経済新聞によると、女性の多い宿泊や飲食、小売りなどの業種にて7カ月間で87万人の雇用が失われたとのこと。
加えて、JILTPの調査によると18歳未満の子どもがいる女性の雇用復帰の動向が鈍いとのこと。子育てをしている男性はあまり影響を受けていないらしく、家事・育児などのアンペイドワークの多くを女性が担っていることが伺えます。
このように女性が不況に陥っていることをShe (女性)とRecession (不況)で掛け合わせ、”She-cession(シーセッション)”と呼んでいるのです。
そして、女性の自殺率の増加は女性の雇用が失われていること、会社への復帰の見通しが立たないこと、家事・子育てにより社会との繋がりが希薄になっていることなどからではないかということが考えられます。
社会に繋がっていない人を拾い上げる難しさ
社会に繋がっていない、つまり家庭内で苦しんでいる人を拾い上げることはとても難しいです。
そしてそのリーチの難しさは、コロナによる不要な外出の自粛により余計に高まっているように感じます。
先の見通しが立ちにくい+家から出られない
そんな社会で追い詰められている人が自殺者の数以上にいることを心に受け止めなければいけませんよね。
社会的孤立は人を追い詰めてしまいます。
だからこそ、シンプルだけど周りの人へ「声をかける」というのは偉大な行動であったりもします。
また、もし周りに自殺念慮のある人がいたら例えばTALKの原則で対応してみてください。
Tell: 心配していることを言葉に伝える
Ask: 死にたいという気持ちの有無について素直に尋ねる
Listen: 死にたいほどつらい相手の気持ちを傾聴する
Keep Safe: 安全を確保する
(上記出典先:http://www.niigata-dp.org/corona/suicide_measures/index.html)
まずは声をかけて孤立させないことを意識し、その後は一人で対応せず、専門家の助けを求めましょう。
ナッツ。
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