『ガラスの天井』と『ガラスの地下室』 -男性の生きづらさとは?-
- 2020.11.29
- コラム/ column
- 生き方, 社会構造
『ガラスの天井』とは?
なぜかリーダーポジションは男性ばっかだなぁ、、、
そんな、とんでもないことに気がついてしまったこと、ありますよね。(あるある)
なぜかとっても優秀な女性なのになかなか、上のポジションが回ってこない。なぜか男性ばかりがキャリアステップを踏んでいく。
そのような現象をフェミニズム用語で「ガラスの天井」といいます。
『ガラスの天井』:
男性が組織の上層部を支配しているなかで、女性がキャリアアップを目指す際に直面する障壁(バリア)を意味する比喩的表現であり、1980年代に初めて登場した。「天井」とは女性が組織のはしごを上っていくと立ちはだかる上限を意味し、「ガラス」は透明でその先が見えているにもかかわらず、あるとは気づかない巧妙な障壁のことを意味する
Career Up
女性の生きづらさ、社会構造上の「不利」がどれほど透明で、見えないものか表してくれている。
本当によく表している言葉だなと、初めて聞いた時思った。
けど、最近新しい言葉を知ったんだよね。
「ガラスの地下室」って言葉を。
『ガラスの地下室』とは?
まだまだ多くの国には徴兵制がある。
徴兵されるのは、だいたい男性。
このように「危険」や「過酷」な状況に押し込められることを
『ガラスの地下室』とワレン・ファレル氏が定義したんだって。
ガラスの地下室:
「ガラスの地下室」は男性が、収入と引き換えの危険な職種や長時間勤務、自殺、病気や事故による高い死亡率、徴兵、死刑といった過酷な状況に押し込められ、「使い捨てられている」現実を表現
女は「ガラスの天井」、男は「ガラスの地下室」
徴兵制、原発、土木作業、建築作業などの危険、あるいは重労働な仕事は男性が多いし、
自殺率やホームレスになる率も男性の方が格段に高い。
加えて、親権となると男性はなかなか得られない。
そんな、見えない力、見えない地下室へ、男性は押し込められている。
男性も無力であるということを表すために作られた言葉らしい。
男性の生きづらさには触れない「ジェンダー学」
そこで私は、ふと思った。
ジェンダー学やフェミニズムは全てのジェンダーの平等を願っていると言いつつも、
本当の意味で男性の生きづらさと向き合ってきたのかなって。
大学院でも、1年間のジェンダーコースで男性の生きづらさに触れたのは多分2回ぐらい。そのあとはひたすら女性の生きづらさ。
もちろん、多くの女性が戦ってきてくれたからこそ、今がある。
だけど、恐らく、感情の表現や弱さを表現する機会を奪われてきた男性は「ガラスの地下室」について訴えるのは、相当なハードルがあるんじゃないかって。
生きづらさからの解放のはずなのに、後ろ指刺されて「男なのに」って言われる恐怖があるんじゃないかって。
「弱い存在」とされてきた「女性」が抑圧を主張することと、
「強い存在」とされてきた「男性」が抑圧を主張するのは、
全く異なる状況だよなぁ。
自分は「弱い立場の人間だ」ということを言い訳に、「強い立場にいるように見える、弱い立場の人」のことを想像してこなかった。
そんな自分がいること「ガラスの地下室」は気づかせてくれた。
ナッツ。
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