「フェミニスト」と言うのが怖い。-フェミニストである自分を守る方法【3選】-
- 2021.05.30
- アクティビズム/ Activism
- ジェンダー学, フェミニズム

フェミニストとは誰のこと?
フェミニストとは、フェミニズムの思想を実現しようとしている人を指す言葉です。フェミニズムとは:
“Feminism is a movement to end sexism, sexist exploitation, and oppression.” (フェミニズムとは、性差別、性差別による搾取、そして抑圧を終わらせるためのムーブメント(運動)である)-Bell Hooks
男だから、女だから、ノンバイナリー(男女のいずれか一方に限定しない)だからうける差別、偏見、不平等を終わらせるぞ!と活動している人たちをフェミニストと呼びます。
あれ?だったらほとんどの人がフェミニストじゃない?と思いますよね?フェミニストである私も、多くの人が「フェミニスト的な思想は持っている」と感じています。
表立って、男女不平等であるべきだ!性的差別賛成!なんていう人は(少なくとも私の周りには)なかなかいませんが、ただ、「自分がフェミニスト」であると名乗る人もそんなに多くはありません。
なぜでしょう?
個人的に、フェミニストというワードのイメージが悪すぎるからだと私は思っています。イメージが悪いからこそ、「フェミニスト」と名乗るのも怖かったりします。
「私フェミニストだと思うけど、公言するの怖いなぁ・・・」と思っているあなたに今日の記事を書いてみました。
フェミニスト批判が怖すぎる
男嫌い、過激、説教くさい、など「フェミニスト」というワードには様々なネガティブワードがつきまといます。正直言われて気分の良いものではありません。
「私全然そんなことないのに、、、ただ、全てのジェンダーが自分らしく生きられる社会を願っているだけなのに。」
そう思っているフェミニストは沢山います。この記事を読んでいるあなただけではありません。
以前もフェミニストの多様性について紹介しましたが、(『フェミニストのイメージが悪すぎる件について-実はフェミニストも多種多様-』)「フェミニスト」と名乗る人も十人十色で、思想や考え方は一人一人異なります。なので中には、もしかしたらネガティブなイメージを持たれる活動・行動をしている人もいるかもしれません。
ただ覚えておいてほしいのは、
フェミニズムに「悪いイメージ」を持たせることで男性優位な社会を保とうとしている人もいるということです。
「世間に過激な嫌な活動家がと思われたくないでしょ?」なんてメッセージを発信し、男女平等を願う人を萎縮させているのです。
ジェンダー平等を願っている人が必ず「フェミニスト」と名乗る必要はないですが、名乗りたいのに、怖いと思ってしまう人へ、萎縮せず活動しするために、「フェミニスト」である私が持っている「マイルール」を紹介したいと思います。
自分を守るマイルール3選
① 常に「フェミニスト」であることを貫く必要はない
フェミニストと名乗りたいか、名乗りたくないかは、個人の選択だと私は思っています。
同時にフェミニストであると名乗っていても、時と場合であえて「フェミニスト」と言わないでいい時もあります。ジェンダー平等を願っています、とか、ジェンダーについて勉強していますなど、濁した方がうまくいく時は濁します。
「フェミニスト」だと言ってその先の言葉に偏見を持たれるぐらいなら、疲れない会話をするために、違うワードを戦略的に使い自分が疲弊しないようにしています。
二十代前半の時はフェミニストであることを濁す行為は「フェミニズムを裏切っている!」なんて思う時期もありましたが、長く・持続的に活動を続けるためにも、自分が疲弊せずに続けられるルールは必要だと私は思っています。
②同じ考えを持っている、フェミニズム・ジェンダー学の素地がある仲間と語る
誰もがジェンダー課題について建設的に議論ができるわけではないし、自分も議論したいわけではなく、ただ共感してほしい時もあります。
どんなに仲の良い友人であっても、どんなに愛し合っているパートナーであっても、心からジェンダー平等を願っている人、ジェンダー課題について深く考えてきた人とは議論や共感の土台が違いすぎて、あなたの求める反応が得られなかったりします。
たまに議論するのは良いけど、常に議論は疲れてしまう。だから、あなたと似た考えを持った仲間と出会い共感性のある語り合いができることは、持続的にフェミニストとして活動する上でも重要であると私は思っています。
③フェミニストである自分に「完璧」を求めないこと
今私たちが生きている社会ではジェンダー平等は実現されていません。つまり、フェミニストである私たちも常に不平等な「完璧」でない社会で生きていて、不平等を常に目の当たりにしています。
フェミニストなのに、ジェンダー不平等を目の当たりにして何もできなかった・・・フェミニストと言って良いのか?私フェミニストとして失格かも?なんて思ってしまうこともしばしありますが、それは「完璧」を求めすぎていると私は思います。
行動する傍観者でありながら、差別的な発言をする会社の商品を避け、常に世の中のニュースに耳を傾けながら、自分のバイアスにもアンテナをはり、、、
そんな生活してたら、自分が自分の心を壊してしまいます。
「フェミニストのくせに・・・」と言われることが怖いかもしれませんが、言い返しましょう「フェミニストも人間や」と。
自分のことを最優先にして、全然良いのです。
マイルール【3選】どうでしたか?
フェミニストと名乗っていようと、名乗っていなからろうと
同じ正解を目指しているのであれば私は仲間だと思っています。フェミニストと公言せずともできる活動は沢山あります。ぜひ自分が居心地の良い範囲でジェンダー平等を実現するための行動をとってみてくださいね!
ナッツ。
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